あの日……/大町綾音
 
計を済ませて、書店を後にする。

 雪は止んでいなかった。それどころか、夜空を背景にして、少し降りが強まったようにすら感じられる……街のネオンも目立って、この街のこの季節の早い夜がいやがうえでも強調されているようでした。
 そう……何かの予感。もと来た道を戻り、歩道を渡って、すんなりと地下駐車場から車を出すことは出来たものの、精算時のお釣りが出ない。そんなことは珍しいらしく、係員を呼び出してお釣りの精算をするのに20分もかかったり。
 結局のところ、その日の帰り途では道に迷うというトラブルにもあって、なんとか父の手前はごまかしたものの、後味の悪い、嫌な予感を感じさせることになってしまった。
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