詩人の意気/栗栖真理亜
 
詩人たちは皆何がなんでも
会を存続させる意思に溢れていた
 総会は紛糾して最後まで意見は纏まらない
そんな母の思惑は外れ
詩人としての居場所を守りたい
そんな活気に溢れていた

詩で集い愛する会が好きだから
ここで生きる場所が何事にも替え難い命だから
その輝きは絶えさせまい
ホテルの会議室に集まった詩人たちは
気持ちを一つにする

物価高騰実質賃金は上がらず
マクロ経済スライドで
年金を低く抑えられた者にとっては
会費等値上げは正直痛いが
背に腹は変えられない
月刊誌も更にページ数を減らす工夫
電子書籍も活用し
若い人などより多くの人に知ってもらう新しい案も出た
普段は個々で活動
いざ詩を守るため団結すると詩人というのは非常に心強い
しかもアットホームで温かく
新たに賞を得て飛躍してゆく詩人仲間を迎えいれ
違った意見や批評があっても
究極は仲間の言葉に真摯に耳を傾け一緒に考える
代え難き詩人の真の姿なのだ
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