「持丸長者」とメディアと久坂葉子/室町 礼
 
なそんな状態ではなかった。
『ドミノのお告げ』に描かれた冷や飯と大根の煮付け
一切れという夕食の描写には笑ってしまいましたが、
でもこういう虚構をそれらしく書ける才能というのは
たしかに可愛いとは思います。関西の作家仲間たちの
あいだで女好きと評判だった『死の棘』の島尾敏雄が
彼女を溺愛した気持ちはわかります。でもそれが奥方、
島尾ミホの疑惑を生むひとつの原因だったのかどうか
は神のみぞ知るです。
えー、話が脱線してしまいました。
神戸新聞や毎日新聞だけの話ではなく近代から現代ま
で日本の新聞社というのはすべて財閥の紐付きといっ
ても過言ではないような気がします。
読売新
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