不具/異形/
岡部淳太郎
合って
俺をますます異形の縁へと追いこんでゆく
そしてようやく俺は理解するのだ
俺はどうやら異形の者になってしまったようだ
と、
草木も眠りながら
夢を見ようとする時間帯
呪文めいた乾いた繰り言が俺の脳内で繰り返され
この世のすべての不幸を告知するかのように
ありえない未来を
予め伝えようとする
闇に浮かぶ新月は不気味に赤く
その下で蠢くだけの人々の夢は
色を失って 停止する
(2025年2月)
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