日本現代詩人の戦争責任/室町 礼
 
尻をあぶられて、
  沸騰する湯気の中から
  木々をゆすぶる木枯らしの中から
  ぼくらの長い冬の夜ばなしの中から
  やがて春がやってくる

前の歌が戦中の金属献納(軍部供出)を世間にアピールした詩で、後者が戦後の
春(民主主義)の時代がやってくることを待ちわびる詩とも読めるものです。
こうやってみると詩の重みというか力強さというか美というものは戦中の
軍部忖度詩のほうがやや優れている。
後者の、戦後につくられた民主主義の訪れをひそかに待つ詩のほうは少し通俗的ともいえる。
どっちにせよ、それほど大した詩ではないとはいえ、
本来、詩の豊かさとか面白さはその作者の政治思想は
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