日本現代詩人の戦争責任/室町 礼
おもねったと同じことが今、日本に起きている。
吉本隆明は、『抒情の論理』で壺井の詩をこう語っている。
「わたしの関心は、この二つの詩が、意識的にか無意識的にか、おなじ発想でかかれ、
その間に戦争がはさまっているという事実だ。この事実をもとにして、二つの詩のち
がいをあげれば、一方は、擬ファシズム的煽動に終わり、一方は、擬民主主義的情緒
におわっていることだけだ。わたしは詩人というものが、こういうものなら、第一に
感ずるのは、羞恥であり、屈辱であり、絶望である。戦争体験を主体的にどううけと
めたか、という蓄積感と内部的格闘のあとがないのだ。(略)もしこういう詩人が、
民主主義的であるなら、第一に感ずるのは、真暗な日本人民の運命である。」
わたしもこういわざるをえない。
もしも「日本現代詩人会」のような詩人たちの政治思想が民主主義的であるというな
ら、待っているのは真っ暗闇な日本人の運命であると。
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