川にはまった言葉の泳法/菊西 夕座
れな言葉は川にもてあそばれて
おととけななな、おととけななな、と歌う日暮れ
はなしているのか、ながしているのか、川のみぞ知る
いまはもう、夕陽さえもがおととけななな、おととけななな、と沈みこむ
やがて生まれた河童が川から上がって威張るには
進化した言葉が「川葉」で陸にあがれば「河童」だと
おととけななな、おととけななな、と「進化」が笑う
河童は「大河」へ向かうけど、「退化」へすでに転じてる
おととけななな、おととけななな、転流こそが言葉の肥料
流されながら、つかまりながら、カワる世界を超えていく
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