疫、/
 
たくって村の道の真ん中に転がしておいた。異臭が村中に漂い、村人たちは恐怖に慄き、しばらく家から出なかった。男の死体は腐って更に悪臭を放った。ようやく恐る恐る家から出て寺に赴き角大師のお札をいただいた村人が、額にお札を貼り男の死体を荼毘に付して無事だった。それからというもの角大師のお札が村中で流行った。某太郎は鬼門に棲んでいた。村中の者は角大師の札を家の鬼門に貼り付け、毎日平穏無事を祈った。某太郎は村中の角大師の札を盗み燃やした。するとその炎は何十倍にも膨れ上がり某太郎に引火した。某太郎は炎に包まれ焼死した。村人たちは喜んだが某次郎という盗人がいる事を知っていた。村人たちは某次郎に備えて角大師のお札を鬼門に貼り、毎日平穏無事を祈っている。
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