鶯谷/室町 礼
ぶ俗人が
増えたせいで
文学から刃物のぎらつきが失せ
詩人ともあろうものが世間より倫理的になり
狂気がそとに流れ出てしまったのだろうか
しからば
凸撃せねばなるまい
電話をすると
「80は無理やけど78ならいますよ」
という中年女の声
「脚が弱ってますから、時間かかりますよ」
JR鶯谷駅裏の喫茶店で待った
杖をついた婆ちゃんが中年女の介護付きでやってきて
それ専用らしいうらぶれた和風旅館の
うらぶれた三畳ほどの個室に案内された
こういうときはもうカラダなんかどうでもええ
顔だけが命や
顔にエロスがあればいいのやけど...
う〜ん ない
ない ない ない
出土
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