詩の言の葉/秋葉竹
 
して
一生は一生として

子どもの頃は
都会に『ゆく』という感覚だった

それが嫌で
都会に『住』んだ

人の波に呑まれ呑まれて
心は削られカラッポになりかけたりもした

街を刺す夕陽の赤が
まるで血の色にみえたときなぜか
そのとき私はなぜか泣いていたという
恥ずかしい記憶を
あのひとに救いいだかれて
綺麗さっぱり消せたというくだらない

ちいさな恋の物語






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