雪に願う/
栗栖真理亜
血の口づけで
紅く
紅く
染まりゆく雪の美しさよ
静かに
静かに
時を越えて彼の人に伝えたまえ
紅い血の絆は愛の証だと
繭のように白い空の向こうに彼の人の温かな笑顔を見た
嗚呼、雪よ
深々と降り積もる空の使いよ
どうか優しい抱擁で私を包みたまえ
死は純粋さを越えて彼の人の心さえ
強く
強く
揺さぶるだろうから
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