炎が喚く/ホロウ・シカエルボク
に泳げばいい、そこにはたくさんの無駄がある、でもほとんどの無駄は、あとになってそうだったと知ることが出来る、どの地平に水が沸いて、どの地平が渇いたままなのか知ることが出来る、自分が呼吸するべき空気を、自分が吐き出す息の強さを、感じて知ることが出来る、マニュアルは存在しない、セオリーの無い場所で踏み出すところから始まる、何も知らないことが恥ずかしいのかい、そこからなんだって知ることが出来るのに、知ったような顔をすることの方がよっぽど恥だぜ、百年足らずの人生で知ることが出来ることなんてたかが知れてる、ただただがむしゃらに走り抜ければいい、脳味噌で記憶する必要など無い、身体は勝手に必要なものを記憶していく、感覚を殺すな、そこからしか命の灯は燃え上がることは無い。
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