炎が喚く/ホロウ・シカエルボク
っていつか理想そのものを忘れてしまう、そんなやつがこの世界にどれだけ居ることか、思い返してみるまでも無い、何の為にその場所に固執している、何の為にそこで成果を求めて彷徨っている、自分の心を激しく震わせたものは、あらかじめ決められた枠組みの中で作られた産物なんかじゃ決して無かったはずさ、それは着火剤によって燃え上がった火じゃ無かったはずだ、勝手に生まれて、勝手に燃え上がった激しい炎だ、今いる場所でどんなものを作り上げたとしても、どうしてそれが燃え上がったのか知らないままで生きるなんて不毛だ、初めから見当違いの場所に手を伸ばしているだけなのさ、壁は無い、柵は無い、境界は無い、主義は無い、思うがままに泳
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