すみか/由比良 倖
瞬間、あなたは壊れかけていて、
被害者のいない銃弾が降り、あなたは
私に笑いかけ、そして私もあなたも消えていくだろう。
痙攣するように、私は花になり、今も未来も無い、
海も未来も空も無い、私の眠りの中で、
私は目覚めるだろう、そのときあなたは、
まるで見えない涙のようだろう、あなたが泣き止むとき、
あなたはもう何処にでもある、夢でしかないだろう。
そう、ならば良心は何処にあるのでしょう?
……意味を知らなければ、世界の、生きていることの。
私は、間違っているのだろうと、目の奥を潰して、
あなたの枯れる手に、水を遣ります、
私は深い、森の中に棲んでいます、長い、長いこと。
戻る 編 削 Point(3)