NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『テオと猫ガミ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
たぜ。本当に、こりや大變だ!」走れ、テオ!


 空が…。急に曇つてきたなあ。早く事務所に帰ろ。自轉車など暢気に漕いでゐるじろさん。泰西堂の百均ワゴンで、ピポー叢書のスティーヴン・スペンダー詩集『靜かなる中心』を見付けて、今日はついてる! そんな帰り道、見ればテオが自轉車に縋らんばかり。「おゝ、テオどん。どした?」「じ、じろさん(助かつた!)」
 自轉車の籠に乘せて貰ひ(ママチャリで良かつた!)、だうにか辛くも、その場を退散出來たテオであつた。


【?】

 事情の説明を受けた一同。「それつて仕事ヤマになるのかなあ」カンテラは物足りなさゝうな顔。何せ、例の主婦が出した謝礼金だけ
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