NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『テオと猫ガミ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
額は、かなりの物であつた。
(それにな、長年の勘だらうか、【魔】の臭ひが、うつすらとするんだよなあ)獨りごちたテオ。果たして-
? ? ? ?
〈いついつも雪と友だち雪ん子はかんじき履いて空を見上げる 平手みき〉
-本当にそれが、「飛んだアルバイト」になつてしまふ、とは、この時點では思ひもつかぬテオであつた。
【?】
テオは取り敢へず、例の猫溜まりへ足を向けた。なんとか、説得してみやう…。一縷の望み。何となく徒勞なやうな氣がしたのは、例の勘、とやらなのだらうか。
キョロちやんは、やはりそこにゐた。「きみ、キョロちやんつて云ふんだろ?
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)