NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『テオと猫ガミ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
額は、かなりの物であつた。

(それにな、長年の勘だらうか、【魔】の臭ひが、うつすらとするんだよなあ)獨りごちたテオ。果たして-


 ?  ?  ?  ?

〈いついつも雪と友だち雪ん子はかんじき履いて空を見上げる 平手みき〉


 -本当にそれが、「飛んだアルバイト」になつてしまふ、とは、この時點では思ひもつかぬテオであつた。


【?】

 テオは取り敢へず、例の猫溜まりへ足を向けた。なんとか、説得してみやう…。一縷の望み。何となく徒勞なやうな氣がしたのは、例の勘、とやらなのだらうか。
 キョロちやんは、やはりそこにゐた。「きみ、キョロちやんつて云ふんだろ?
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