たいくつくつ/ゴルコンダ/お題はこうだたけみ様/足立らどみ
厳にふさわしくない!
けれど、王様はただ微笑んでいます
「いいんだよ。
歩くための靴は、
飾るための靴とは寸法も違うのだから」
そうしてできた靴は
市場の少女がくれた布と
王宮の旗を縫い合わせたものでした
王様はそれを履き
ふたたび宮殿を出ました
たいくつくつ
あたらしいくつ
いくついくつ
どこまでいきつく
どこまでもいくつ
妄想だ
応相談
その靴の足跡は
やがてタイ王国中のみんなに広がり
王の旅の話を語り継ぐようになりました
王の足が踏みしめた道は
誰もが歩ける道になつていきました
そうして
タイ王国の王様は
もう二度と
退屈することはありませんでした
戻る 編 削 Point(4)