NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『獸醫師・押越亨とドクトル・キメラ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
に憑かれてゐる譯ですか? カンさん」「だうやらそのやうだ。あんたがうちのテオとか、國王にちよつかいを出すから、そこに【魔】が付け入る隙を見付けたんだな。センセイ」押「だうか、助けて慾しい」カ「我々の稼業はカネ次第です。情實は関係ない」押「幾ら出せば…」カンテラ、三本の指を出して見せた。「それに加へて、テオ・國王の『研究』は金輪際、已める事。それが条件だ」
押越がその条件を呑んだ事、云ふ迄もない。
押越の、診療所を兼ねた自宅のベッドサイドに、カンテラ(外殻)は吊り下げられた。電源を切つたケータイを枕元に置く。これは、いざと云ふとき、じろさんとテオに連絡する為の、用心である。
カン
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