NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『獸醫師・押越亨とドクトル・キメラ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
えええいつ!」押「ざ、残酷ショウだ」
【?】
それつきり、である。三百萬圓こそ、納入しに來たが、もう押越が「角打ちの會」に姿を現はす事はなかつた。テオも、彼の病院に通ふのは、已めた。
大?屋。安保「プラスティック成型ならお手の物なんだが、ゴムで、つて注文はちと、難しかつたな」カン「だけどあれ、眞に迫つてたよ。本物の『鵺』の仔みたいだつた」じろ「カッちやん、酒、酒」カッちやん「アイリッシュ・スタウトに燗つけてみた。ジョイスの『ダブリン市民』に出てくるみたいに、ね」一同「どれどれ。あ、こりや珍味だね!」
國王も呼んでみやうか、と云ふ話題で、皆々盛り上がり、さつそくケータイで呼び出すと、「は、只今」。但し、地底からではなく、普通に地上を自轉車漕いで現れた國王。大?屋さんの店先に大穴開ける事は出來ません、と一言。これには、皆笑つたことであつた。
? ? ? ?
〈雪なくてこゝら雪割る草もなし 涙次〉
〈人がゐて雪を心に抱く時人そこにゐるは忘れ雪のみ 平手みき〉
お仕舞ひ。アデュー!
戻る 編 削 Point(1)