ゆめ/由比良 倖
 
ティッシュペーパーを窓から放ると、
十五階のマンションの窓からは、
ティッシュペーパーは、ひらひらひらひら、
はかなく、可愛らしく、おちていったよ。

ひらひらひらひら、落ちていったよ。
白くて、可愛らしく、落ちていったよ。
ひらひらふわふわ、うつくしくて、
けなげに、落ちていったよ。

空っぽになった、ティッシュの箱に、
私はくるまって、眠ったよ。
私はくるまれて、やわらかな、夢を見るよ……

くるくるくるくる落ちるのは、
私の夢だったよ。私の夢は、
けなげだとよかったよ……
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