NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『所謂ゾンビ病について』中・後篇/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
忍び込んだ。?装束に覆面姿。ブランデーグラスなどを傾けてゐる、何某。この男が、「未だワクチンにはリスクが伴ふ」と云ひ放つたお蔭で、重症患者たちが世に溢れてゐる。尤もそれには複雑な利権が絡まつてゐたのだ。
 じろさん、覆面を外した。「俺の顔は冥途でも覺えておいて貰ふ」「ん? あんたは…確かカンテラ一味の…」じろさん、無言で、怒りの鉄拳を揮つた。

 結局、何某の骸は裸に剥かれ、国会議事堂の壮麗な出入り口付近に打ち棄てられてゐるところを、發見された。脊に「この者國賊、私利私慾の輩」と墨書した紙片が、貼られてゐた。
 
 ベルゼブブ、そして何某の死を境ひに、所謂ゾンビ病の罹患者の數が減つてきた
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