ぼろぼろのつばさ5/青色銀河団
談笑して
談笑して
花びらのように血をながして
今日を生きていく
耳のうしろに隠した
風のナイフを錆びつかせながら
[あきらめ]
この星の
半分は
あきらめでできている
羊水の
半分が
悲しみでできているように
はしかにかからないように
ぼくらは
希望という
予防接種を
受ける
ぼくらはほんとうの
悲しみを知らない
[まち]
ながれる時間にとって
思い出はもはや純粋な希望だ
むかし
野原の花びらの
冷たい部分だけを
あつめて
夜を超える練習をしたよね
ほんとはぼくら
耳たぶが寂し
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