知らず知らず詩すら死すらしい(回文)/水宮うみ
 
月に貴様、爪先に傷。
つきにきさまつまさきにきづ


声のキツそうな嘘吐きのエゴ。
こえのきつそうなうそつきのえご


善い島。同感が疎ましいよ。
よいしまどうかんがうとましいよ


日々泣かず、詩すら知らず、静かな罅。
ひびなかずしすらしらずしずかなひび


嘘と気付けばお化け月と添う。
うそときづけばおばけつきとそう

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