NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!番外篇『カンテラvs.もぐら國王』/?任勇梓 Takatoh Yuji
でたし。
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大?屋。悦美が珍しく、酔ひ乱れてゐる。「いつも身勝手なんら、カンテラは!」カッちやん(苦笑しつゝ)「まあまあ。それぐらゐにしといた方が…」悦「こらカツ。酒出せ〜」安保「?絡み上戸だとは知らなかつた」じ「これ、悦美!」悦「なんらと、じろ爺!」
カン「ご迷惑でせう」大刀を拔く。一同「え!」刀は圓を描き、そして刃の峰が、とん、と悦美の肩に置かれた。彼女はがくん、と眠りに落ちた。安保「ほお」カンテラは悦美の躰を担ぎ上げると、からころと?下駄を鳴らしながら、帰つて行つた。
今日は番外篇、と云ふ事で。これにてお仕舞ひ。
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〈若草の下は土龍の國なるや大もぐらもち君臨の幻想ユメ 平手みき〉
追記:結局警察は「天皇家の財寶」をもぐら國王の魔の手から救つた、と云ふ事で、三百萬圓を、カンテラ事務所に納入してきた。それも國民の血税なのだが。悦美さんは例の夜の翌朝、惡夢のやうな頭痛・宿酔に悩まされたんださうである。
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