NWSF怪畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『言の葉魔女』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
魔界の者か」女「ふはゝゝゝ、さあてね」カ「くそつ!」


〈朧月傾城獨り書をめくる 涙次〉


【?】

 カンテラは明らかにショックを受けてゐるやうだつた。女を斬るなら、今夜以外にはなかつた、そのチャンスを不意にしてしまつた。珍しく、肩を落とし、すごすごと外殻に這ひ入る。外殻には燈も點らない。悦美「カンテラさんが仕留め損なふなんて! 恐ろしい【魔】だわ」

 だが轉んでもたゞでは濟まさぬカンテラ。暫く外殻の中で鋭氣を養ふ。火が燈つた。彼はそこからテオに、魔界の紳士録を調べるやう、指圖した。『魔界の紳士録』-古本屋でじろさんが偶然見付けた、羊皮紙に書かれた中世の書物。カンテラ以外、魔導士以外には讀めないが、データは全てテオのPCにインプットされてゐた。 

 テ「見付けました! この『言の葉魔女』つてのが、さうでせう。謎の文字群を讀ませて、男たちを自在に操ると云ふ」カ「でかした!」

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