年月など関係ない、人もモノもただそこに存在しているだけなのさ/ホロウ・シカエルボク
名も知らぬ魚が、水面で跳ねる夢を見た明け方、天気は雪が降るかもしれないと、あくまで可能性の話、思考のどこかにセロファンが挟まれているような、澱んだ水のような目覚め、その時俺の脳裏に浮かんだものを、お前になんと説明すればよいだろう?イントロダクションにこだわる必要なんてもう別にないけれど、だからと言って忌々しく思うことも無いというわけじゃない、でも抗おうと喚こうと、何かが変わるわけじゃない、そもそもそれは、俺自身の身体に蓄積されたある種の悪循環のせいかもしれない、ゆっくりと顔を洗う、自分の造作を確かめるように、ゆっくりと…冷たい水は静かに脳髄まで浸透していく、肌には良くないらしいが、すっきり目覚
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