NWSF怪畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『水と空氣と花と』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
て來た。


【?】

 その翌日、夜更けを待つて、カンテラとじろさんは坂上の「ゴミ屋敷」までやつて來た。
「ご免よ。邪魔するぜ」じろさんは黒装束。
「何奴だ!」ボウガンを構へる金木。「撃てるもんなら、撃つてみな」カンテラは挑發しつゝ、剣を拔いた。剣は、ぎらり、と夜目にも分かる光を放つ。金木がボウガンの弓を發射した、が、それはいとも簡單に、カンテラの剣捌きで地に払ひ落とされた。弓は眞つ二つに分断されてゐた。
 そこでじろさんが無言で突進、金木の腕を捩ぢり上げた。「ぐわつ」
 
 金木は捕縛された。

 取り敢へず、適当な罪名で金木は警察の手に渡つた(大雑把だなあ・笑)。だが、これで濟んだ譯ではない。ベルゼブブだ。拘置所に見張りの特別人員が回されたが…。ふとした隙に、鉄柵の向こうから

「ぎやああつ!」金木の悲鳴が聞こえた。警備の者が急ぎ、駆けつけたが、緑色の液体がこぼれてゐるだけで、そこに金木の姿はなかつた。


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