いつかも歩いたその道を/ホロウ・シカエルボク
とが出来る、そんな店のすべてを素通りしてそろそろ家に帰ろうと思う、見慣れた景色、代り映えしない景色、でもそれがなんだって言うんだ?新天地なんてどこにも無いんだ、どこにねぐらを変えたとしても慣れと停滞はつきまとう、肉体的に生きるための様々な条件は放っておいてはくれない、金、金、金の世の中で、なんて、古いドラマのオープニングじゃないけどな、俺は運が良かった、いや、選択を間違えなかっただけかもしれない、周辺の根拠のわからない価値観を鵜呑みにすることなく、自分自身に必要なスキルと感覚を手に入れた、それを研磨錬成することでどうにかここまでやって来れた、自分の中に何も無い連中は余所事にばかり目を向ける、隠して
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