202501のB/おまる
 
胆にして精緻、荒々しくも繊細だ。作者の視線は終始冷静で、詩的な感傷に流されることはない。
しかし、比喩の一つ一つが鼓動を持ち、読者に「生」の躍動を突きつける。まるで、画布に鮮烈な色彩をぶつけながらも、精妙な計算のもとに構成を練り上げたフランツ・マルクの絵画のように。
言葉に込められた力は、鳥の羽搏きとともに響き、永劫の飛翔へとつながっていく。抑制された筆致の中に宿る情熱が、この詩風を非凡なものにしている。
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