NWSF傳畸ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『泰西堂主人』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
不毛の地にあつて、世界的なバンドに成り上がつたR3H(以下このやうに略する)、何やらサムライ・カンテラの事務所も、彼らの話をすると、國際色豊かになつたやうだつた。
「やあカンテラ、エツミもテオもムシュウ・コノイもキネも元氣だらうね。またエツミのマツダ・サヴァンナRX-7に乘せて貰ひたいよ!」オーギュスタンはさうメールを送つてきた。彼は日本の物ならなんでもいゝだらうと思つてゐる。
 前回、カンテラがそれとなく野方の古本屋「泰西堂」が、平賀元義の和歌の扁額を仕入れた事を云ふと、ほくほく顔でそれを求め、フランスに帰つて行つたオーギュスタンであつた。じろさんが元義の「五番町石橋の上にわが魔羅を手草に取
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