NWSF剣豪ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『からつかぜ』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
女なんだから!」「そんな事云つても知らんものは知らん。だが確かにゴージャスな美女だ」そのゴージャスさを鼻にかける事なく、悦美という女は素足に突つかけが寒さうなジーンズ穿きだつた。
 カンテラはこのカンテラ(やゝこしいが)に巣食ふ火のスピリットであり、アンドロイドである。そんなイレギュラーな人物? が現實にゐていゝものか。杵塚の頭は混乱した。
 倖世はさつそく悦美と云ふ美女と、女同士のおしやべりを樂しんでゐる。カンテラが徐ろに杵塚に近づき、話しかけた。「あんた、この前『泰西堂』で會つたな?」
 やゝ吃りつゝも杵塚は答へた。「カンテラさん、ご?名は彼女(顎をしやくつて、倖世を指す)から伺ひました
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