NWSF剣豪ロマン カンテラ・サーガ、ピリオド3『からつかぜ』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
なれば灯油の火で明かりを燈す、携帯用のライト。ランタンとも謂ふ。これはかつてはと或る烏賊釣り漁船に提げられてゐた、骨董品中の骨董品である。)そこから聲がする。
「まあさう厭味を云ひなさんな。悦美さん。南無Flame out!!」更に杵塚は吃驚してしまつたのだが、そこから『アラディンと魔法のランプ』のお話みたいに、男が「實體化」して現れた!
 つひぽけーつと見とれてしまつたが、それは例の「カンテラ一燈齋」であつた。衣服はこの前と變はらない。
「ねえ春ちやん、あなた本当に知らないの? 健康な男性として由々しき事だわ。あれはカンテラさんの秘書であり戀人、悦美さんよ。グラヴィアが出回るくらゐの美女な
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