衒学鳥/中沢人鳥
幽玄を裂きながら、 その軌跡は、無窮の星図に描かれる。 天穹の彼方、焉何に向かうとも知れず、 翼はただ風を孕みて、 悠然と彼方へ、彼方へと。羽?の一枚ごとに宿るは、 無数の夢想、虚構、追憶。 光と影の交錯する狭間、 いざないの彼方にて、 鳥は言う
??「永劫の飛翔こそ、 我が宿命なり」と。
彼方に去りゆくその影を追い、 人は足を止め、眼を閉じ、 一瞬の永遠に耳を澄ます。 その声、果たして夢か現か。 否、鳥は今も飛び続ける。
蒼穹の涯に、無言の詩を描きつつ。
戻る 編 削 Point(4)