刑事コロンボ、「いつか」の先をゆく/菊西 夕座
いつかは、いつかやってくる。
だがそのまえに
犯人はいつかを盗んでしまった
いま刑事コロンボがやってきて
わたしにたずねている
「いつかったかね?」
見つかってません。
いや、そうじゃないですよ。その本はいつ買ったか聞いたんです。
まだ買ってません。
それじゃ、借りたのですか
いや、置いてあったんです。
だれが置いたのです
わかりません。
だれか部屋にいれましたか
あなただけです
まいったな、それじゃ私が置いたことになる
置いたのですか?
犯人が置いたという可能性は
なんのために?
いつか返すために
返すったって、もうここにありますよ。
もうお読みになりま
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