LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
 
精神の中で最も然(しか)りと肯定するこの精神は、一語を語るごとに矛盾している。」と思わせられ、西脇順三郎には、なにゆえに、「最も重々しい運命、一個の宿業ともいうべき使命を担(にな)っている精神が、それにも拘らず、いかにして最も軽快で、最も超俗的な精神であり得るか──そうだ、ツァラトゥストラは一人の舞踏者なのだ」などといった言葉が思い起こされるのである。ある一人の哲学者とは、もちろん、ニーチェであり、筆者が用いた本とは、『この人を見よ』(西尾幹二訳)である。「なぜ私はかくも良い本を書くのか」において、「ツァラトゥストラ」について書かれてあるところから引用した。

 モダニストたちの作
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