LET THERE BE MORE LIGHT。 ──光の詩学/神学的自我論の試み/田中宏輔
 
つづけることを願っているのではないだろうか。その願いが叶うには、モダニストたちが、ずっとモダニストでありつづければよいのだが、それは、それほど容易なことではないのである。「観念は人間を通してはじめて認識される」(ジイド『贋金つかい』第二部・三、岡部正孝訳)のであって、「およそ概念なるものは、人それぞれに独特な意欲と知性の(ヽヽヽ)眼とに応じてはじめてその現実性を有(も)つ」(ヴィリエ・ド・リラダン『未來のイヴ』第一巻・第十章、斎藤磯雄訳)ものであり、「知性には、それなりの思考習性というのがあ」(マルグリット・デュラス『太平洋の防波堤』第1部、田中倫郎訳)るからである。いつまでも革新的で
[次のページ]
戻る   Point(9)