月酔歌/
ただのみきや
を注ぎながら
すべて美と哀れは
この空洞を投影するためのもの
ひとつの女のかたち
世界は舞台背景にすぎず
わたしは現実を生きる虚構
侵食されたもの
月は貝のよう 時の波間に
満面の死 花こぼし
貝は月を孕み
静かにねじれ 狂う
君がうらやましい
化石のように未来を旅するひとよ
いやいや君らじゃない
こんなもの読むことのない君のことだ
(2015年1月12日)
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