人格と世界観3/ひだかたけし
がある。
ある人の場合に真実が別の人とは異なる現れ方をするかどうかが問題なのではなく、
どんなに異なる形姿が現れようとも、そのすべてが同じひとつの全体から、
統一的な理念界から生じていることが大切なのである。
真実は一人ひとりの内部で異なる語り方をする。
偉大な人物の語る真実の言葉は、このひとりの人物だけからしか発せられない。
「自分と自分自身との関係、並びに自分と外の世界との関係、この二つの関係が共に分かったとき、私はその関係を真実と呼ぶ。
だから誰でもが銘々の真実をもつことができ、
しかもその真実は同じ真実なのである」(ゲーテ『散文の格言』)。
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