弔辞台本原稿 長男へ/鏡文志
いように言っておいたから:
と私に告げましたが、その話を聞いて私が安心出来ると思ったわけではないでしょう。面倒な息子への苦情に応えてやったという思いだったのだと思います。
「お前の問題。お前が殴られるのが嫌ならお前が殴られないようにしろ」
とでもいうところでしょうか? 私が喜んで殴られていたとでもいうのでしょうか? 抵抗をしなかったとでもいうのでしょうか? 夜になればナイフで長男を突き刺すことも出来たでしょう。目を真っ赤に腫れた顔で病院に行った私を見て長男に父親が怒っていた時代はほんの僅かで、いつの間にか両親は長男の私への暴力行為に口を閉ざし、時に加担すらするようになりました。私の長男への不
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