弔辞台本原稿 長男へ/鏡文志
 
声で返し、受話器を切った後は、父への不満を唱えながら私の前で涙を流しておりました。父親はよく私にこう言いました。長男を自分を虐めた祖父のような人間のようにろくでなしにしたくなかったので厳しく躾けたのだと。しかし、小学六年生の子供が精神を病むことの問題を本当に学校の問題だけにするべきでしょうか? それほど嫌な思いをしている学校なら父親として転校させる計らいをすることも出来たかもしれない。そして、学校に直接関係のないところで親が暴力を働いていたとあれば、それは父親にも精神疾患を作った原因があるのかも知れない。それを何故父親は治すためにヨガ道場へ連れて行ったのでしょう。自分には原因がないから、もしあった
[次のページ]
戻る   Point(4)