夜になれば/
室町 礼
夜になれば 月を殺して
くらやみから
星を一つ引き出し
ガムのように噛んでみるか
うん
しからば
さらば
悪魔になりたかったわたしだ
箒に乗って
指呼のあいだにきらめく
星々をも
やさしい笑顔で滅ぼして歩こうか
ことばで死に
ことばで生きる虫たちの惑星
ながらえすぎたゆえに
神も人も消えた
味のなくなったガムを
夜のしじまにはりつけ
ただ白いだけの朝の光をのがれて
何時迄も眠れ
わが欲情
それにしてもさむい
ほんとうに
冬だものな
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