万太郎方舟物語/鏡文志
 
のお姉さまは、その手紙の内容に憤怒し、両親に見せました。母親はお姉様以上に憤怒し、激怒致したが、父親は冷静に受け止め、お姉様を説得しました。
「気持ちはわかるが、その子の言うことは間違いないよ。お前は町1番の美人だろう? 彼もまた千人に一人いるかいないかの容姿を持っている。二人が子を授かれば、大衆が偶像とせしめし容姿の子が授かるのは間違いない。その子がお金を作り二人の将来を約束するという読みも、自らの自慢話に終始して終わる人間と考えることの桁が違う」
尊敬する父親の論理的に説得力のある説明を聞いた饅頭屋のお姉さまは、フと我に帰り納得を致し、万太郎宛に返信を書くと、二人はあっという間に結ばれ、見
[次のページ]
戻る   Point(5)