君が/由木名緒美
 


君が
君が

龍だったら

背に乗って
山々を昇りたい

君が
君が

うさぎだったら

膝のうえに乗せて
眠りにつくまで撫でていたい

髭が生えたうさぎ
帽子を被った龍

君がパソコンを見ている時
仲間とふざけている時
寡黙な瞳
饒舌な背中

笑顔の奥の笑顔

優しい と 冷静 を
かき混ぜたら
美味しい声が響きます

見つめる と 見つめられる
をふりかけたら
心が君であふれます

君の胸に巣を作って
温まりたい

芝生の上で
手を繋いでお昼寝したい

君の唇は髭に埋もれているから
そっと近づいて
目を閉じると
ちょっとチクチクするだろうな

きっと君の方が大人で
私はまだ背伸びをする

でもきっと私の方が欲しくて
君を困らせるよ


シーソーみたいに
上がって下がって
そっぽ向いて近づいて

いつ一緒に歩き出せるのかな?


わからないから

神さまの言うとおり

神さまの言うとおり


神さまよりも、君が好きだ。


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