懲役/蝶番 灯
んだよ ね
結局あたしは現実まで頭が廻らなかったみたいよ
ほんとにあたしは君のこと、信じていたのかな
君のこと ことごとく信じているってあたしは言った
君のこと ことごとくまもり抜くってあたしは言った
あたしはその時言ってしまったんだよ
絶対に、って
さめて なえて
とどのつまり嘘になっちゃったんだよ
最後にあたしは妄想を殺しちゃったじゃない
君がいま海のむこうで生きていたって
あたしが好き、だったはずの君は 君が死んでも汚れない
だってもうここに残っているのは君の名前しかないのだもんね
ぜんぶぜんぶぜんぶあたしがせおう罪なら
ぜんぶぜんぶぜんぶの罰を 君があたしにかしてもゆるすよ
なんにもなかったてのひらに
上目づかいであたしをにらむ
罪と罰が
なかよくならんでいます
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