可惜夜/あらい
 
はじめはちきれた 陰鬱な雲が、むかしのかたちを削ぎ
とおりと指差し 有り金を投げる仕草を、追う
シジマまでの氾濫が、ヤケアトに戻っていく
懐(ナツ)を咏む。これを、
「煌めきごと 殺せ!」
しなやかに 歩櫃(ホヒツ)して いるのを
【こちらをみるなと、するならば。】
   しおたれ
   /りりしく
   /におう
  (はなをついた)
   雪崩れていく
    のがギラつく
   ちかくになり
    ひとつ
    ひとつに、ひらく
   螺雨(ラウ)とする。
そちらだ。
(仰向けで 死が 見つかる)
――まるで
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