銃弾はひとつだけでいい/ホロウ・シカエルボク
だけでみんな満足してる、愚の骨頂だ、当たり障りのないものばかりが名前だけを変えてリリースされ続ける、もう誰も文化の中に閃光を探したりしない、それを時代性だというやつがいる、笑わせるな、レゾンデートルは時代遅れにならない、俺達が求めるものはどんな時代だって喉を掻き毟るような血の渇きのはずだ、火炎瓶に点火しろ、屋根の上からあたりへばら撒くのさ、愚かしい光景が火の海に包まれる、俺はその血を背負おう、指先を切り裂いて血の署名をしよう、口先じゃどうにもなりゃしないよ、お前は置いてきぼりの死体になった自分のことを直視したくないだけさ、バリケードを破壊しろ、燃え盛る炎を突っ切って、丸焦げの死体を蹴飛ばしながら、新しいフレーズのことを考えるんだ、夜明けが来たら真人間達の言い訳が始まるぜ、俺の根源、俺の跳躍、俺の詩情、俺の構築―死体の山の上に腰を下ろしてため息をつく、近頃は説明出来ない世界の話ばかりしたいのさ、御覧、夜が明けるよ…あいつを撃ち落とせるかどうか、ひとつ試してみることにしないかい…。
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