ノイズの中でなら上手く眠れる/ホロウ・シカエルボク
 
認しようとしているみたいだ、そんな目覚めが何度か続いたあと、もう眠ることは出来ないと悟る、簡単な朝食を摂り、外に出る、まだ街が目覚める時間じゃない、コンビニで時間を潰す、近頃は雑誌の立ち読みも出来なくなっている、店内をくまなく見て回っても数十分にもならない、そしてコンビニの店内放送は欠伸が出るくらいつまらないものばかり、店を出て、まだ眠りについている街の中を歩く、人通りは少ない、俺はゴーストタウンのことを思う、ゴーストタウンの中で暮らすのは気分がいいだろう、どれだけ不便だとしても―そこではどこに住んだっていい、あらゆる建物が自分だけのために存在している、捨てられた街だ、どんなことをしても文句を言う
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