夢か現か/短角牛
 
全てを忘れて飛び出したいけれど そういうわけにもいかず

作業しては休み 休んでは作業し 仕事を終える

帰宅 夜半 風呂 缶チューハイ SNS チャット 

ようやく寝る時間になれば 眠気がなくて

私が眠れないでいる今は 昼間の私が恋焦がれた夜

だから 一階のテレビをつけ

そのまま二階に上がる 遠巻きな声が聞こえる

誰もいないのに 人の気配を感じながら

虚な安心感に包まれて 眠りにつく

夢の中で 

また私は作業を始め 投げ出したくなった





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