焦点を合わせる/あらい
 
妍しいだけの皿に、その手のひらに
 泳ぎ回る琉金の ちいさく
  軋んだベビーベッドから、流れ星を拾い上げる
/ 海にいる /
岸辺から眺めるひとがいて、遠くにある
 帆船と征く
 庭園には野草が、
 死期を無視して、
飛び回る瞳のまま 背には山々、
眼下には子猫が眠りについている 
蛇のような、枝ばかり、天を庇うような
木漏れ日の中だ。
贋作の宝石でも、易いものだと、括り付けて
 廃墟を駆け抜ける式祭の、行方を追って
  いたのだったか いまのびのびと生い茂る。
日傘のおんなが、
いるだろうが
写真ではわからない横顔を指でなぞっても、
 うたえない メリーゴーランドはもう
  錆びついたままの 宇宙船にのって、
   なにごともない、花壇をみとっている
_処。
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