様々な窓に明かりが灯され、生活は展開されていく。/ホロウ・シカエルボク
 
るのは自分のそのものなのだから―次第に夜が訪れる、様々な窓に明かりが灯され、生活は展開されていく、空腹…食事だってそうだ、そのすべての構成を知ることなど出来ない、訳もわからぬまま食らいつき、噛み砕き、嚥下する、すべての構成を知ることなど出来ない、でもそれは繰り返され、そのおかげで生きている、命が語る物事は途方も無く膨大で、食べ尽くされた皿の前で人は茫然とせざるを得ない、何を得たのか、何が行われるのか、それを正しく理解出来る者など一人も居ない、小理屈を並べてわかったような顔をするには荷が重過ぎる代物さ、大切なのはすべてがそこに在るのだと―自分の意志などお構いなしにそれらは在り続け、動き続けているのだと認識することだ…大きな流れに抗うことは出来ない、ならばその中でほんの少し、渦を巻いたり、色を変えたりして語り方を変えてみるべきなのだ、そう、そんなことに躍起になって一生を費やすのが、詩人という生きものなのだから―。


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